学生の最初の1本に。日本の手頃な万年筆の選び方

執筆: trial-editor ·公開

学生にこそ万年筆をすすめたい理由

万年筆は、ペン先を紙に軽く当てるだけでインクが流れ出る筆記具です。ボールペンのように押しつける必要がないので、授業で何ページもノートを取る日や、試験勉強で書き続ける日ほど、手の疲れ方の違いを感じやすくなります。

インクを替えられるのも楽しいところです。黒や青で授業ノートを取り、日記や手帳には好きな色を使う。同じペンでも、インクを替えるだけで書く時間の雰囲気が変わります。

「万年筆は高級品」というイメージがあるかもしれませんが、日本の文具メーカーは、初心者や学生でも手に取りやすい価格帯のモデルを出しています。価格は店舗や時期で変わるので、購入前に公式サイトや販売店で最新の価格を確認してください。

最初の1本を選ぶときのポイント

最初の1本は、高価なものより「気軽に毎日使えるもの」を選ぶのがおすすめです。手頃なモデルでも、日本メーカーの入門機は書き味がしっかりしていて、万年筆とはどういうものかを知るには十分です。慣れてきて、好みのペン先の太さや軸の重さが分かってから、次の1本を考えても遅くありません。

ペン先の太さ:日本の「細字」は海外の表記より細め

万年筆のペン先には、EF(極細)、F(細字)、M(中字)などの太さの表記があります。日本メーカーのペン先は、欧米メーカーの同じ表記より細めに作られている傾向があり、日本の F が海外メーカーの EF に近いと言われることもあります。

漢字のように画数の多い文字を小さく書くなら、細字(F)や極細(EF)が向いています。アルファベット中心で、罫線の幅が広いノートに書くなら、中字(M)のほうがインクの濃淡が出て、万年筆らしい書き味を楽しめます。迷ったら、まずは細字を選ぶと、授業ノートにも日記にも使いやすいでしょう。

インクの入れ方:カートリッジかコンバーターか

最初はカートリッジインクが手軽です。インクの入った小さな容器を差し込むだけで使えて、手も汚れにくく、予備を筆箱に入れておけば授業中にインクが切れても安心です。

ボトルインクの色を楽しみたくなったら、「コンバーター」という吸入器を使います。ペンに取り付けて、ボトルからインクを吸い上げる部品です。対応するコンバーターはペンによって決まっているので、メーカーの公式サイトで対応品を確認してから買いましょう。

注意したいのは、カートリッジの規格がメーカーごとに違うことです。日本のメーカーは独自規格のカートリッジを使っていることが多く、他社のカートリッジは基本的に使えません。インクを買い足すときは、ペンと同じメーカーのものを選んでください。

持ち歩きやすさと丈夫さ

学生が使うなら、筆箱やカバンに入れて毎日持ち歩くことになります。キャップの開け閉めがしやすいか、筆箱に収まる長さかも確認しておきたいポイントです。

入門向けのモデルは樹脂(プラスチック)軸のものが多く、軽くて扱いやすいのが利点です。ただし、どんな万年筆でもペン先を下にして落とすと、ペン先が曲がって書けなくなることがあります。使わないときはキャップを閉めておくのが一番の予防です。

学生向けに選ばれている日本の手頃な万年筆

ここでは、初心者や学生向けとしてよく名前が挙がる、日本メーカーの入門モデルを紹介します。価格・ペン先の種類・軸の色などは変わることがあるので、購入前に各メーカーの公式サイトで確認してください。

パイロット「カクノ」:初めて万年筆を使う人を想定して作られたモデルです。ペン先に笑顔のような模様が入っていて、ペン先の向きが一目で分かります。軸は持つ位置が自然に決まる形で、転がりにくいのも学生にはうれしいところです。

プラチナ万年筆「プレピー」:入門向けの中でも特に手頃な価格帯のモデルです。キャップに、ペン先の乾燥を防ぐ仕組みが入っているのが特徴で、しばらく使わなくても書き出しやすいように工夫されています。

パイロット「プレラ」:カクノより少し大人っぽいデザインの、短めで携帯しやすいモデルです。学生のうちから長く使える1本がほしい人に向いています。

モデル向いている人特徴
カクノ(パイロット)初めて万年筆を使う人ペン先の向きが分かりやすく、持ちやすい形
プレピー(プラチナ万年筆)まずは安く試したい人手頃な価格帯、乾きにくい工夫のあるキャップ
プレラ(パイロット)長く使えるデザインがほしい人短めで携帯しやすい

どれも、書き味の好みは人によって違います。可能なら、店頭で試し書きしてから選ぶのが一番です。

使い始めのコツと、よくある失敗

カートリッジを差し込んだ直後は、インクがペン先まで届くまで少し時間がかかります。すぐに書けなくても、ペン先を下にしてしばらく待つと書けるようになることが多いです。それでも出ない場合は、カートリッジがしっかり奥まで差し込まれているかを確認してください。

よくある失敗が、キャップの閉め忘れです。ペン先が空気に触れたままだとインクが乾いて、書き出しがかすれたり、まったく出なくなったりします。書き終わったらすぐにキャップを閉める習慣をつけましょう。長く使わずにインクが固まってしまったときは、次の章の水洗いで直ることがあります。

紙との相性もあります。薄い紙やコピー用紙の中には、インクがにじんだり、裏に抜けたりするものがあります。手持ちのノートで試して気になるようなら、万年筆に対応していることをうたっているノートを選ぶと、書き心地がぐっと良くなります。

長く使うための簡単な手入れ

インクの色を替えるときや、しばらく使わないときは、ペン先部分を水洗いします。カートリッジを外し、ペン先を水やぬるま湯に浸して、インクが出なくなるまで水を替えながらすすぎます。洗ったあとは柔らかい布やティッシュで水気を取り、よく乾かしてから新しいインクを入れてください。具体的な手順はモデルによって違うことがあるので、取扱説明書も確認しましょう。

やってはいけないのは、インクが出ないからといってペン先を紙に強く押しつけることです。ペン先が開いたり曲がったりして、元に戻らなくなることがあります。熱いお湯で洗うのも、軸が変形するおそれがあるので避けてください。

日本で買う・海外から手に入れるには

日本に来る機会があれば、文具店や大型の文具専門店で試し書きをしてみてください。万年筆売り場には試し書き用のペンが置かれていることが多く、ペン先の太さや軸の重さの違いを実際に比べられます。

海外から手に入れたい場合は、通販サイトや現地の文具店で日本メーカーの万年筆を扱っていることがあります。取り扱い状況や価格は国や店によって違うので、各メーカーの公式サイトにある販売店情報なども参考にしてください。カートリッジもメーカー独自規格なので、ペンと一緒に予備のインクも買っておくと安心です。